あの「
ひとり歩きの金剛山」の著者で、元新聞記者でライターでもあり、
以前、このブログに快く「一本木茶屋」の画像を提供してくださった
富田林市在住の藤田健次郎さんに関する新聞記事の中で、
「1人遊びできる趣味をインドアとアウトドアで持って置くこと」が
とても大事な事だということが共感できたので紹介します。
他人からよく「オマエ、多趣味だなぁ」と言われることがある。
裏を返せば、そんなに自分に自由な時間やゆとりがあって良いねぇというイヤミとも取れる。
実は暇も金もそんなに無い。他人様から見えてるほど隣の畑は青いわけではない。
自分のこれまで知らなかったいろんな事にやたら関わりたくなっては
挑戦したり、試したりと好奇心の旺盛ぶりを発揮しているのは
30代半ばくらいからだろうか。
そうなってきたのにはちょっとした理由がある。
まず、自分の寿命を49歳に設定しているからだろう。
だから今、出来ることをできるだけ楽しもうという焦りからだと思う。
ではなぜ49歳なのか。
実は自分の父親は、なんと49歳という若さで病気で他界してしまった。
たばこも酒も好きで、今で言う完全メタボ体型だった。
そんなこともあって、自分は父親が辿った生活スタイルとはまったく異なった
ものを意識的に選んでいるのかもしれない。
たとえば過去10年ほど新たに始めた趣味として位置づけたものは
どれもこれも先代のだれもやったことのない初な事が多い。
どこか意識の中で、父親が成し得なかった事をやっておこうとか、
49歳という寿命をぜったい超えてやろうというものを目標としてきたのかもしれない。
まだ49歳まではだいぶ?先ではあるが、今の世の中、何があるかわからない。
今出来ること、やりたいことは先延ばしせず、なるべく早く実現していくこと。
もちろん分相応に、慎重かつ丁寧にクリアしていくことかなと。
【シニア新時代 遊ぶ】初めての四〇〇〇メートル 体力の限界と夢の“はざま”2006/07/28 産経新聞 大阪朝刊 25ページより引用 人気の中高年登山。退職後の“やりたいこと”として、登山を挙げる団塊の世代も多い。
そして、夢はいつしか、富士山より高い山へ。そんな中高年ビギナー登山者の心をくすぐる
本が出版された。「初めての四〇〇〇メートル」(山と渓谷社刊)。自身も中高年ビギナー
だった登山ライターの藤田健次郎さん(67)=大阪府富田林市=の5冊目の著書。
4000メートルで遊ぶ楽しみと、そのためのルールを説く。
(服部素子)
4000メートル級の山と聞いて、まず頭に浮かぶのはヒマラヤ山系やヨーロッパアルプ
スの山々。しかし、藤田さんが中高年の“初めての4000メートル”として選んだのは東
南アジア、マレーシア・ボルネオ島のキナバル山。
「世界遺産で標高4095メートルの独立峰。行程は1泊2日。しっかり4000メート
ルを超えてるでしょ」とニヤリと笑う。
4000メートルにこだわるのは、中高年からのビギナー登山者の体力・気力の限界と、
より高い山へという夢との“はざま”がそこにあるとの実感から。同時に、中高年には、雪
と氷と岩の世界に挑むだけの高度な登攀(とうはん)技術や装備などの点で無理がある。そ
うしたマイナス条件をクリアできないかと、藤田さんが目を向けたのがアジアの山々だった。
台湾の玉山(3952メートル)、エベレスト街道、4000メートル級の無名峰の頂上
に立てる中国の天山山脈。なかでも登山道や宿泊施設、トイレの整備などの面でキナバル山
はイチ押しの存在という。
「キナバル山は富士山のように遠目に美しく、近目では薄汚れた山ではありません。自然
環境を保護し、安全を確保するためにガイドの同行を義務付け、1日の登山者数を制限する
など、日本の山で放置されている問題について先端的に取り組んでいます」と力を込める。
△ ▲ △
藤田さんが山歩きを始めたのは、46歳のとき。腰痛のリハビリが目的だった。それが、
低い山から高い夏山へと足を伸ばすうちに、仕事では味わえない、さわやかな達成感に魅了
された。
そのころ実兄ががんの宣告を受け、闘病の後、58歳で亡くなった。
「うちはがんの家系なので、自分も射程圏内に入ったと思うと、自分の時間がほしくなって」
55歳で、33年勤めた会社を早期退職。いきつけの飲み屋のように、身近な金剛山が
”いきつけの山”に。富士山をはじめ、槍、穂高、剣など日本の3000メートル級の山も
ひと通り登り終えると、思いは海外の、より高い山へ。この12年間で、9カ国15の山の
登頂とトレッキングを果たした。
しかし一方で、中高年登山には遭難という落とし穴もつきまとう。昨年1年間の日本の
山岳遭難発生状況(警察庁発表)をみると、発生件数は1382件で遭難者は1684人と
過去最高で、全体の81・5%を40歳以上の中高年が占める。
「山は登り下りでようやく完結するのに、中高年ビギナーは登ることしか考えていない人
が多い。夏山シーズン真っ盛りのいまこそ“安全”を肝に銘じてほしい」
早期退職で自分の時間を手に入れた先輩シニアとして、藤田さんが団塊の世代にアドバイ
スするのは、現役時代から1人遊びできる趣味を、アウトドアとインドアの両方でつくっておくこと。
「定年は人生の折り返し。1人遊びができないと、老後が思いのほか長いですよ」
◇
「初めての四〇〇〇メートル 熟年登山者のキナバル山行記」は、山と渓谷社刊、1575円。
私も少し前から、次来る○○代(30代ではありません 笑)を迎える時の、自分に対する夢があります。
1人遊びできる趣味の必要性、共感しました。
やっぱり、楽しい老後を過ごしたいものです。