峰床山 八丁平(高層湿原)にて【動画編】広大なスケール、とにかく、かなり良かった【ルート】
坊村-林道交差-鎌倉山-オグロ坂峠-峰床山-八丁平(高層湿原)-六尺道-
オグロ坂峠-(分岐からのバリエーション)-未舗装林道-坊村注:今回のルートはバリもあるので地図・GPS必携、読図スキル要関西の尾瀬と言われる所以、なるほどと思った。
※注:尾瀬は行ったことがありません(^^ゞ
比良らしくもあり、鈴鹿っぽいところもあり、台高のような良さもある、
それらの良いとこ取り、全部入りかも?と感じた山行きだった。
今回はええ山だったなぁと思ったのはいつ以来か?
坊村からのアプローチはかなりの長尺で、
やっとこさ辿り着いたという気持ちも入ってたかもしれない。
展望はあるわ、高層湿原はあるわ、迷える森はあるわ、たっぷり歩けるわでかなり良かった。
とにかく歩き尽くせないほどのスケール感。
いろんな要素があったので、終盤の未舗装林道を歩いていると、
「あれ?今日、自分はどこの山域に来てたんだっけ?大峰?」
なんて錯覚してしまったほどだった。
武奈ヶ岳などの比良山系への登山の起点でもある坊村の広大な無料駐車場を
午前8時にスタート。
先着していて準備を終えたハイカー数名は、比良側へと消えて行った。
比良山系とは鯖街道を挟んでちょうど対面にあるだけで京都北山という山域になる。
比良にはよく登っているという人でも、対面側の山域には登った事が無いとよく聞く。
今回はその京都北山の、前から気になっていた山域に踏み込んでみることにした。
京都府最高峰の皆子山と直前まで迷ったが、
周回するためには大変そうな渡渉は避けられなさそうだし、
さりとてメインルートの東尾根ピストンだけではどうかと思うし、
さらには駐車場も満足に無さそうなのでやめた。
京都北山へ行く以上は読図、ルートファインディングが必要なところが多いようなので楽しめそう。
迷える森で地図と久しぶりに睨めっこしてみたかった。
そういう点においては、峰床山は最高の舞台の予感がした。
葛川茅葺の家のそばの取り付きから、かまくら谷沿いを少し歩くと、右手は取り囲まれ感のある壁。
まさかこの壁の上のナイフリッジ?へ取り付くとはいきなりすぎて驚いた。(^^ゞ
看板によると、かまくら谷沿いのルートもあるみたいであったが荒れてるのかな?
壁の上には「城の鼻」という看板があり、ナイフリッジならぬ細尾根となっていたがそれも一瞬だけ。
あまり歩かれてないような登山道をしばらく登るとまさかの林道に出た。
この林道はGPSの最新のTOPO10M V3にも、OSMマップにも描かれてなかったが、
スマホアプリ「FieldAccess」で利用する国土地理院地図には掲載があった。
この時、まさか下山時にこの林道を利用することになるとは想像をしていなかった。
林道から白く冠雪した比良山系の武奈ヶ岳方向の頂が見えた。
鹿がやってきたが、こちらに気づくやクンカクンカと匂った後、すぐに逃げてしまった。
林道からまたすぐ登山道へと入って行くと、植林と自然林が交錯、
落葉した自然林の木々の間からも比良山系が見える。
新緑で色づくまでのしばらくの間、この見通し明るい山歩きが楽しめそうだ。
秋に次いで好きな季節である。(花粉症ではあるが)
鎌倉山が近づいてくると雪の重みでひん曲がった木など自然林に溢れる。
この山域は紅葉もまたすごいんではなかろうか。
ピークを過ぎると下りに転じるもすぐに登り返しとなったり、
さっきもこんなところ通ったよなぁ?的な既視感に似たアップダウンが続く。
ポツンと千年杉というスポットがあったり、どこかの集落が見えたりと、
長尺ルートを飽きさせないための工夫がなされているわけなんてあるわけないか。(^^ゞ
撮影でたびたび立ち止まっていたもんだから、
思い出したように現在地を確認するとオグロ坂峠までもまだまだではないか。
行ったり戻ったり、もたもた撮影している場合ではなかった。
山と高原地図では迷マークがあるあたりは迷える森。
トレースは薄い。
といってもだれかがテープを付けてくれているので実際には迷いにくい。
GPSで確認するのは、後どれくらいなのか、今どのあたりなのかという
現在地確認的な役割が多い。
そんなこんなで、目の前に大きなクレバスが現れたと思ったら、その谷間はオグロ坂峠だった。
そこには道標と祠があった。
何も疑わずにトレースに沿って進みかけた。
六尺道から湿原へと行ってしまうところであった。
先にピークへ向かいたかったのだ。
峰床山ピークへのトレースは薄く、尾根をヘつるように付いていた。
尾根経由で行くほうがわかりやすいが登りを極力さけて体力温存。
緩やかながらも登りが続き、まだかまだかの様相に。
左手眼下には、八丁平の湿原と思われるだだっ広い芝生広場のようなところが見える。
早くあそこに下りてお昼にしたい、という思いが募る。
すでにスタートから4時間以上経過しているのだ。
八丁平の高層湿原をスタジアムと見立てると、
それらを取り囲むように観客席があるかのようにして立っている
エッジ部分の稜線に沿うようにして峰床山ピークへと展望の無い登りが続く。
そしてついに長旅の果てピークに到着すると、そこはフラットで広く、まさかの大展望!
途中の様子から到底想像できず、ぜったい展望なんて無いと思っていただけにうれしい誤算。
ちゃっちゃと記念写真を撮って八丁平へ下りようと思っていただけに思わぬ足止め。
山深いはずのそこは、遊歩道らしいものや眼科に未舗装林道も見える。
どこか違う方向からアプローチすれば、車で近くまで来れそうであるが、
人の気配がまったく無いことから、どうやらちかくまで来ている林道は
とても車が通れる状態じゃないくらい荒れているのではないかという勝手な想像。
人も居ないし来そうにもないし、ここでお昼にしたいなぁ、
でもちょっとだけ風があってさぶいかなぁ~、との葛藤の末、後ろ髪引かれる想いのまま、
大芝生弁当広場?と想像する八丁平へと下ることにした。
これがなかなかそう簡単ではなかった。
回りこんで回りこんで激下り、プチ渡渉などを経て降り立ったそこは、
芝生広場ではなかったが、まさにスタジアムの中という印象で、まわりを取り囲むように観客席のような壁がある。
冬枯れのスタジアムの中を八丁平に向けて歩くのはなぜかゴキゲンであった。
とても山深い奥地に来ている気分、秘境探検気分であった。
これ、冬枯れの明るさや見通しが無い季節だったらどうなんだろ?
鬱蒼としていて先行きが見えず不気味な印象とか?
八丁平の高層湿原に到着すると、小川が流れていたり木道があったりと、
そこが関西の尾瀬と形容されることになるほど納得した。
箱庭の中に居るような?はたまた台高の西大台を歩いているかのような?
こんな場所を独占して良いの?なんという贅沢なんだ。。。ったく。
ここでしばらく寝泊まりしたいので私を探さないでください、と置き手紙したくなるような桃源郷であった。
こんな場所は他の山域のどことも似つかず唯一無二だ。(当社比)
そんなかんやで、お昼にありつけたのはスタートしてから5時間半後のことであった。
もちろん要所要所で行動食としてミックスナッツやら手作り食パンをかじったけどね。
写真もそこそこに、ただひたすら歩くだけだとここまで4時間くらいか?!
下山にも時間かかるであろうことから、
いつもよりだいぶ短い、たったの一時間程度の休憩にとどめて行動再開。
湿原を周回し、名残り惜しみつつもオグロ坂峠に戻ってきた。
下山は中村乗越を経て江賀谷の二股に下る川沿いルートも考えたが、
オグロ坂峠から往路をしばらく戻ってバリエーションから林道終点に着地する冒険に出た。
カメラを取り出すことなく黙々と下山へと集中する。
往路で通ったところから分かれてしばらくは平和であったが、
武奈ヶ岳全体を望める展望のある場所、つまり、等高線が崖になっている大きく切れ落ちた所の脇から、
まるで直角のような激下り。
微妙な尾根違いに気づかず一瞬間違った方向へ下ってしまったが、すぐにGPSで気づき、登り返してリカバリー。
激下りはやがて植林帯となるも延々と急傾斜は続き、
ようやく林道終点にソフトランディングできた。やれやれ、お疲れちゃん。(^^ゞ
この未舗装林道がまたやたらと長く、山側はどこまでも壁となっており、
あのまま尾根違いで谷まで下りてしまった詰んでいたはず。
こんな事だから、バリエーションルートはスリリングでありながらも、
結果としてあまりよい思いをしたことが無いので、やらないほうがいいね。。
往路で林道と交差したところまでもかなり長かった。
疲れていたので、その箇所もスルーして最後まで林道で下りたら
けっこうな遠回りとなったが足には優しかった。
名山=ハイカーが多いという図式が成立しない良い見本だと思った。
しかし、よ~歩いた一日だった。
これぜったい翌日に疲れ残すパターンのやつや。。(≧∇≦)
その他の写真は以下より。

山と高原地図2012年版+GPS軌跡

GARMIN BaseCampにて

国土地理院地図(スマホ)には描かれていた林道終点を狙ったバリエーション

今回からログ解析に自転車用のWadachiを使うことにした

裏比良 坊村の朝(午前8時前) 民家の屋根にはうっすら白いものが

駐車場近くにある葛川かやぶきの家

かまくら谷の谷道って歩けるのだろうか?

これはかまくら谷の谷道のことではないだろうか?

かまくら谷

この道標から右手へ

いきなりの急登に驚く

城の鼻からの細尾根

林道を交差して再び登山道へ

こっち方面特有のテーピングの植林

ぶな平 この近くに展望台があるなんて気が付かなかった

空。って、そら空やけど、空っていう字をじっと見つめるとなんで空←こんな字なのかと

比良や京都北山特有の雪の重みでひん曲がった樹木

鎌倉山ピーク ここが核心部みたいな写真になった

この後、堂々巡りのように似た風景が続く トレースも薄い

あの稜線の向こうに何が見えるのだろうか

ほらまたそっくりな場所

振り返っても誰も来ない

千年杉 金剛山山頂の仁王杉のほうが樹齢若いのに大きいぞ?


あの稜線も歩きたいが今回は通らない

空、じゃなくて、やどり木だらけ

いいな~、こんなとこ、いいな~

ひとつ前の写真とおなじポーズが連続するとは想定外(≧∇≦)

植林もチラホラ

ORのスパッツが無かったら、パンツの裾はドロドロになっていたところだ
急げば片足わずか5秒くらいで装着できる もっと早いかも

おっとクレバスか!と思いきや、オグロ坂峠だった

祠がぽつんと

峰床山ピークへの稜線はやや険しかった


峰床山ピーク

ピークにあったケルンと三角点

なぜか遊歩道のような階段 こんなに整備されてたとはちょっとショック?でもない

機能しているのかどうかわからない林道は近くまで来ていたが、
簡単には来れない奥深いところだとは思った

惜しまれつつもピークを後にした

観客席からスタジアムへと下る途中で振り返った図


八丁平に着地 回りを取り囲むように稜線が見える不思議な場所だ


木道のある高層湿原

小川のせせらぎ聞いて・・、丘の上にひなげしの花なんかあったりして


西大台に来ているかのような


日本庭園のような

バリエーションの最終アプローチの崖の上にて武奈ヶ岳を望む

林道終点にソフトランディング