蓬莱山にて arajinさんと
【動画編】迷える森は落ち葉の絨毯【ルート】
坊村-伊藤新道出合-(伊藤新道:ワサビ谷)-白滝山-長池-(バリエーション)-森山岳-
蓬莱山-(ゲレンデ)-汁谷-(関電道)-長池-(関電道)-葛川中小学校前-(鯖街道)-坊村比良山系に詳しい、裏比良は蛇谷ヶ峰の山麓にお住まいの
ヤマレコFLATさんから、
白滝山から森山岳を経由して蓬莱山に行くバリエーションが美しくて魅了されると教えていただき、
近いうちに歩いてみたいと思っていたところ、大阪から比良山系に通うこと5年目にもなる
arainさんからのお誘いもあって今回の実現となった。
一緒に登るのは二年半ぶりである。
午前3時起床でarajinさんをお迎えし、近畿道、名神京都東から湖西バイパスから鯖街道を走り、
坊村に着いてスタートしたのは7時すぎのことであった。
まずは武奈ヶ岳の登山口のほうへと向かってからは明王谷沿いのつづら折れ舗装林道をダラダラ歩く。
途中、地ならししたばかりの林道支線(ダート)があったのでそちらへと進出するも、
ほどなく工事中行き止まりとなったので、植林帯の中を抜けてリカバリー。
あまりショートカットにはならなかった。
再び舗装林道歩きで「三の滝」があるという取り付きに到着。
arajinによると一見の価値があるというので、林道から谷に下ること5分くらいか、
なかなか見応えのある滝があった。
ここで、武奈ヶ岳に行きたいけど地図が無いという男女と出会う。
明王院まで戻ったほうが無難だとアドバイスをし、しばし滝を鑑賞してから登り返す。
三の滝の取り付き手前からはすでに荒れた砂利道となっていたが、
白いセダンが1台こんな林道をさらに奥へと入って行った。。どこへ?
ほどなく伊藤新道出合に到着し、そこからは自然林の中をワサビ谷に沿うように高度を上げてゆく。
ワサビ大滝を巻いて上部に出て、植林帯からさらに高巻きしてからさらに急登で・・。
急登は短い距離で高度を稼げるので登りでは大歓迎だが・・実線の一般登山道とはとても思えない。
これはどうみても破線ルートである。
ワサビ大滝の豊富な水量はどこから湧いて集まったのか源頭がよくわからなかった。
9月にこの付近で発生したという遭難者の張り紙があったが、
帰宅してから商用データベースで調べたところ、つい最近、登山者により帰らぬ人として発見されたそうだ。
なるほど白滝山周辺は地図も何もなければ迷いやすそうである。
他にもこの周辺では過去にも道迷い遭難が多数あり、そんな迷える森の中を探検できるのは楽しみである。
araijnさんは長年、地形図とコンパスを駆使する地図読みの達人。
一方、自分は電子デバイス派なので、こんな二人がペアだと迷うはずがない。
道迷いといえば、今までで印象的だったのは台高山系のコブシ峰が印象に残っている。
思い込みというのはコワイもので、どう考えてもこっちだろうと進んでいてふとGPSを見たら
ルートを外していたときの緊張感ときたら。。。
今回はそんなことは無かったが、積もった落ち葉で踏跡は完全に隠されてしまっていて、
正確なルートファインディングが要求されるバリエーションであったが、
晩秋迫る比良山中を徘徊できたのはとても楽しかった。
残念ながら曇りがちな空で、時折パラっと雨具を使うほどでもない雨があったりという空模様で、
展望のある場所では風があって寒かったり、登っていると暑かったりといろいろであった。
森山岳に向かうバリエーションでは、西側が切れ落ちているエッジ付近を歩く感じで、
復路の関電道が反対側のエッジとすると、それを囲むエリアが、
起伏の大きなテーブルランドのようなイメージを持った。
テーブルランドというと、鈴鹿山系の御池岳を思い出すなぁ。
森山岳手前のわりとフラットな場所でお昼とした。正面に武奈ヶ岳を眺めながら一時間ほど。
誰にも遭わないと思っていたら、単独の年配男性が登ってきたので驚いた。
蓬莱山直前の登りは膝下くらいのクマ笹の藪漕ぎのような様相であるが歩きにくいわけではない。
蓬莱山山頂にポンっと出ると、そこは整備されたゲレンデで、
琵琶湖にダイブするかのような展望が最高に開放感があって良いが、
ロープウェイで上がってきたお出かけ服の観光客と入り混じって複雑な気分。
ゲレンデを下りきると、ナイターでよく滑りに来ていたときに避難してよく仮眠したスキーヒュッテが
全面大改装のまっただ中であった。この冬のスキーシーズンまであと一ヶ月半。
果たして工事は間に合うのだろうか。
汁谷までゲレンデで下って、沢を渡渉してからは傷んだプラスチックの階段が延々と続く関電道へ。
高圧線が低空となる箇所の自然林の先端だけが伐採されている風景は異様であった。
ここでも、こんなところを誰も歩いてないだろうなと思っていたら、
山ガールをたくさん連れた若いイケメンガイドさんツアーの団体ご一行とすれ違った。
長池まではアップダウンの繰り返しで、関電道だけに上には常に高圧線。
もうちょっとで長池というところでルートを外してみたくなり、長池の右の方へと回りこんでみたが、
時間も時間なので引き返すことに。
長池は干上がったような大きな池で、もしかして縦断できるかなと足を乗せてみると
底なし沼のようにズボッといきそうな沼地だったのでヤメ。(^^ゞ
さて、長池から少し下ったところでお茶休憩してからは再び関電道で下る。
最初のうちは京都北山の鎌倉山の展望を眺めながら下る感じで特に難は無かったが、
残り1/3ほどの距離を残したところでの落ち込みが激しく、
オロシ谷をトラバースしなければならないヤバいステージと急変。
足場はほとんど無く、途中までは誰がつけたかロープがあったが、
そこから少し先はワンミスのつまずきがあるだけで転がり落ちて行きそうな状態で
疲れているときに最後の最後でハラハラドキドキで、へんな汗をかいた。
関電道、やっぱロクなもんじゃないな。
いつぞやの大峰の
大川口から登る行者還岳行きでもドキドキ・ヒヤヒヤしたものだ。
そこは30代男性が遭難し、帰らぬ人となって発見されたまさにそのコースを歩いていたのだった。
ようやく下山完了と思いきや、山麓の個人の方が設置したと思われる鹿よけネットに阻まれた。
何重にも固結びした紐を数カ所も留めてあるものだからなかなか出られなかった。
下山直前に連絡をしていた
ヤマレコFLATさんが駆けつけてくださり初のご対面をさせていただき、
しばらく立ち話をしてお別れ。
鯖街道を2kmくらいあるいてようやく坊村の駐車場に到着して下山完了。
どこにも立ち寄らずに帰路へ、バイパス手前は混んで固まっていたので迂回路から。
帰りの名神は眠かったなぁ。
そんなこんなで丸一日、晩秋の比良を徘徊、満喫できたのは満足であった。
お腹いっぱい。
その他の写真は以下より。