生駒山にて ヤマレコのorisさんと
【動画編】
こんどは泥まみれ・・・全編ほぼヌタ場だった【コース】
近鉄石切駅(7:30)-生駒山上遊園地-パノラマ展望台-暗峠-ぼくらの広場-鳴川峠-
鐘の鳴る展望台-高安山(気象レーダー)-近鉄恩智駅(16:00)季節の変わり目の中途半端なこの時期こそ低山裏山里山を歩くベストシーズンだ。
大阪にある山なのに、これまで歩いたことも行ったこともなかった生駒山系を、
過去に歩かれたことがある
ヤマレコのorisさんに案内していただける機会を得た。
今回は近鉄奈良線「石切駅」スタートで近鉄大阪線「恩智駅」をゴールとする縦走である。
距離にして約20km弱とのことであるが、稜線にさえ上がってしまえば
あとは横移動カニ歩きの楽ちんトレイルじゃないだろうか?という勝手な脳内イメージ。
orisさんとは
昨年5月の葛城山以来である。
いつも準備周到なorisさんが今回の縦走にあたって「てくてくマップ」なるものを用意してくださった。
低山こそ地図には無い分岐や枝道があって、歩いた経験が無いと意外と難しいものだ。
今回は縦走ということでアクセスを考慮して電車にて移動。
自宅から駅までの歩き時間や、休日になると本数や車両数を減らしてくるN電鉄高野線が
朝早くてもめったに座れない事などを考えると休日の山行きには極力電車には乗りたくなかったが、
下山後に飲みに行けるというメリットは大きい。
しかしながら今回は帰ってから別の予定があったので飲みにいけない上に時間制限付きなのが残念だった。
生駒山は関西人であれば誰もがその名前を知る山であるが、
そこに至るまでのアプローチがわかりにくいこともあって、
信貴生駒スカイラインですら過去にバイクや車で走ったこともないほど近くて縁遠い存在であった。
生駒山に行ったのは幼少の頃に過去一度だけである。
母親に連れられてケーブルカーに乗ったことと、シアターみたいなところで
「ゴジラ対ヘドラ」という映画を観て、ヘドラが怖すぎてその日の夜は眠れなかった
というかすかな記憶がある程度である。
今回の縦走で山としてはどうたったのかということを書くとすると
およそ次の3つくらいのキーワードで説明つきそうだった。
アンテナ鉄塔、ヌタ場、大展望。
とりわけ「ぼくらの広場」や「鐘の鳴る展望台」からの眺めは圧巻であった。
夜景だとさぞスゴイことになるのだろう。
それにしても、スカイラインを横断したりガードレールに沿って歩くという場面が何度登場したことか。
詳細については、
数日前に歩かれた山友のtakuyaさんの記事が実に的確に説明されてらっしゃる。
午前7時半。
近鉄石切駅の近くから大阪平野の展望を眺めてからのスタート。
線路高架沿いに少し大阪方向へ下ってその高架を山側へとくぐり抜けてからは登りとなる。
住宅街をせっせと登っていく途中、orisさんによると観光資源だという
大小3つある水車(動いていない)を一瞬見物する。
しばらく登り続けると石畳の階段となってその先にはお寺?ちょっと立ち寄ってみる。
orisさんは寺社仏閣が好きらしい。
そこからいよいよ山道らしくはなるものの長くは続かず舗装林道に出たり、
また山道風になったりで山に登っているという感覚が薄いまま
ついにというか、あっという間に偽ピークの生駒山上遊園地の下に到着。
遊園地全盛期に作られたと思われる幅広の階段を駆け上がると
冬季閉園中(出入り自由)の園内へと入るがこれも縦走路のルート上だ。
機能していない静かに佇む乗り物などが荒涼感を醸し出しているかと思いきやそうでもなかった。
どこからやって来たのか、時折りハイカーが通過していく。
orisさんに生駒山頂三角点を案内してもらうと、ミニSLのレールに囲まれた中央にあった。
園内をしばらく散策。幼少時に観たあのシアターが今でも廃墟となって残っていたので驚いた。
我に返ると、おっさん2人デートで脱線しすぎ予定のコースタイムを一時間も押してることに気づき
放送電波塔が林立するところを抜けたあたりからはいよいよ本気で歩き始めることにする。
ところがここから地獄のトレイル、ヌタ場の始まりであった。
つづら折れの生駒スカイラインを串刺しするようにトレイルがあり、
ヌタ場をやっとくぐりぬけてスカイラインを横断したところに開放感のあるパノラマ展望台。
そこから望む遥か遠くに、本日の最終目標地点の高安山の白い気象レーダーが見えた。
展望を眺めるのもそこそこに再出発。
もう終わったと思っていたヌタ場がさらに続く。
昨夜の降り続いた雨のせいではと思っていたら、だいたいいつもこんな感じらしい。
地質が粘土質であるからして表面が乾いているように見えてもズルっと滑る。
転けないように細心の注意を払いながら歩くのがもはや今日の核心部ではないかと思った。
どれくらい歩いたか、スカイライン沿いに出くわすこと数回、
ぬかるみやヌタ場ばかりに集中していたので、これといって印象的な場所を見つけられないまま
かの有名な石畳の「暗峠(くらがりとうげ)」にいきなりポンと飛び出した。
写真でよく見る暗峠は、映画のセットを彷彿させるほんの一部分だけであった。
峠の茶屋と、トンネルを抜けて少し下ったところにあるカフェの2店舗が営業していて
昼食を摂ることも可能であったが、今回は軽食を持参してきていたので立ち寄らず。
暗峠を横切ってしばらく行くと大勢のハイカーが横道から合流してきて混ざる。
コンクリート道の登りが終わったところが大原山だとか。
右手のほうに「ぼくらの広場」があるというのでそこに行ってお昼にしたいと申し出た。
時間にして11時。朝4時に軽い朝食を摂ったっきりで腹ペコである。
あらかじめ知っていないと気づかないまま通過しそうな奥まったところへと入って行く。
これまでの過程を考えると「ぼくらの広場」も期待はしていなかったが、
今回いちばん開放感のある(トイレもある)昼食にふさわしい場所だった。
小一時間ほど休憩したところで再出発。
なるかわ園地の「森のレストハウス」という看板が目につき、どういう所なのか気になったが、
時間も押してきているので先へと急ぐことにした。
そこからしばらくは特に印象もなく「鳴川峠」や「きのこゾーン」以外は
記憶に残っていないほどで、堂々巡りしているかのようなトレイルが続いたように思う。
相変わらずヌタ場続きで、どこでだったか下りのヌタ場に悪戦苦闘している途中、
年配ハイカー数人が静止して固まっていたので様子がおかしいと思い尋ねてみると、
男性一人は滑って足を骨折、女性一人はカラダの左半分が上から下まで泥まみれであった。
救急車とか呼びに行ったりされているのかと尋ねると、
仲間がケータイの通じるところまで向かっているとのことなのでその場を去ることにしたが、
なんと驚くべきことに生駒縦走路の大部分がケータイ圏外であった。
電波中継には最適なロケーションだというのに、大阪と奈良の電波が混ざらないように
生駒山脈で分断させているのかどうか知らないが不感地帯であった。
今回はorisさんも自分もauであったが、まさか生駒山系で電波孤立するとは思わなかった。
次の目標地点は「鐘の鳴る展望台」である。
まだかまだかと似たようなトレイルの繰り返しの末、展望台までの最終アプローチの登りもヌタ場。
階段状なのに一歩足を前に出すと半歩滑って戻されるというパワーロスっぷり。
もう呆れるやら笑えるやらで生駒はヌタトレ適地大賞認定させていただきたく。(≧▽≦)
それにしても今日は暑くなっては脱いだり、寒くなっては着たりを何度繰り返したことか。
鐘の鳴る展望台は、象徴的とも思えるモニュメントというか構造体があって、
踊り場にはカップルが愛を誓う南京錠をぶら下げるオブジェがあって、
そこから先端に向かっては宙吊りの建設中の吊り橋みたいな状態でその途中に「希望の鐘」がある。
そこの先端に立つと展望は抜群であるが、この下には支えが無いのだと思うと怖くなる。
展望台でおっさんカップルがひとしきり遊んだところでロスタイム発生につき移動を再開。(^^ゞ
ここから先もトレイルは印象薄で、航空無線標識が目立つ程度。
舗装路歩きはほとんど無いのに森の中という感じも無い。
でも低山って六甲山も同様にこんなものだろう。いや、六甲のほうが楽しいかも?!
そんなこんなでようやくあの白い気象レーダーのある高安山に到着。
さらに少し行くとケーブルカー駅があって信貴山口駅に下りることができる。
我々はそこから墓地内を経由して二上山チックな植生の森を下って下って街歩きの末に
ようやく近鉄大阪線の恩智駅に16時すぎに到着。
それにしても久しぶりによく歩いたのでへろへろになった。
今日のザックの重量はすべての機材や飲料なども合わせて9kg。
orisさんはまだまだ余力がありそうだったなぁ。
お互い反対方向だったので駅のホームで手を振りながらの泣き別れ。
まるでシンデレラエクスプレスだ。(≧▽≦)
飲みにいけなかったのがいちばんの心残りの今回の山行きであった。
生駒縦走は、大阪側、奈良側それぞれの好きな場所から登って好きな場所へ下りれるという
コースバリエーションの組み合わせや距離を自由に調整できる点が飽きない良さと言える。
その他の写真は以下より。