大峰山系「五仙宿跡」付近にて縦走中、双方のチームが出会う。左から、キバラー、うっちぃさん、キーコさん、yossiさん
<ルート>
弥山チーム:行者還トンネル西口~八経ヶ岳~仏生ヶ岳~孔雀岳~釈迦ヶ岳~太尾登山口
釈迦チーム:(上記の逆ルート)ついに決行する日がやって来た。
2チームに別れたメンバーが、釈迦ヶ岳の登山口と弥山への登山口からそれぞれ出発し、
互いの出発点にゴールするというもの。
そのためには途中でぜったいに遭遇して車のキーを交換するのが必須条件で、
メンバーの誰一人として急用や体調不調、途中でのトラブル、
怪我などがあっては全滅してしまうというミッションなのだ。
この日のために先週も金剛山で集まって入念に打ち合わせを行ったのだ。
yossiさんが長年あたためてこられた構想で、
奇特な発案に乗ってくれる人がなかなか居なくてこれまで実現に至らなかったという。
折しも今年の
5月7日に6人で釈迦ヶ岳に行った時に
yossiさんから自分にこの構想を持ちかけられた。
以前から八経ヶ岳~釈迦ヶ岳間がどんなところなのかとても気になっていた事と、
そのユニークな発想にとても興味を持ち、ひとつ返事で承諾した。
ついては5月7日の釈迦ヶ岳のメンバーで、男性チームと女性チームに別れて
行いたいという事になり、徐々に具体策等を膨らませてきた。
決行の日は以前から6月18日(土)と決まっていた。
日が近づくに連れて都合により参加できないメンバーも出て、最終的には4名になってしまった。
本来なら男性の私1名:女性3名であったが、
過去数回
チャレンジ登山に参加しているうっちぃさんと自分、
そしてyossiさんとキーコさんの2組に別れて実施することになった。
ちなみにチャレンジ登山の縦走距離は
36km。
今回の大峰の行者還トンネル西口から釈迦の太尾登山口までは
17kmであるため
チャレンジ登山よりは楽であろうと都合の良いように考えておいた。
しかし実際にはどうだったのでしょうか。
決行日の土曜日は曇りという予報で、もし大雨が前日まで振り続たいとしたら
yossiさんとキーコさんがスタートする釈迦ヶ岳の太尾登山口までのアクセスで
高所を行く断崖絶壁・落石多発地帯の林道の通行が心配された。
木・金曜日に大雨という予報が変わって前日の金曜日は曇り。
梅雨時にしては「降らず照らず」の絶好の条件が整った!と思った当日の朝、
天気が急変してしまって曇りのち雨の予報。
地元では雨の気配もなく、すでに車を走らせていたところ、
午前4時には十津川村に到着していたyossiさんからの電話で、雨がすごいという。
決行するかどうするか、決行してある時点で雨が止みそうになければ
お互いに引き返すかなどのルール変更を検討。
雲画像を確認すると、まともに大雨軍団が来る様子もないので、
小雨なら続行ということで落ち着いた。
釈迦ヶ岳側のyossiさん、キーコさんチームのスタートは一時間早く6時。
弥山側のうっちぃさん、キバラーチームのスタートは7時で
残念ながらスタート時間はうまく合わせられなかった。
お互いがどこで出会うのかは今回のミッションの最大の楽しみである。
続きとその他の画像は以下より。
釈迦ヶ岳チームの様子はわからない。
何時にスタートしたのか、雨の様子はどうだったのか、引き返したのかそうでないのか。
スタートしてしまえば一切連絡が取れない。
われわれ弥山チームは7時7分、行者還西口トンネル前をスタート。
急登の登山道を避けて、山と高原地図の破線ルートである沢ルートを使った。
今回の縦走中、唯一、沢が楽しめるとあって喜んでいたのだが実際にはたいへんだった。
過去に一度下山では使ったことがあるが、登りとなると若干踏み跡が不明瞭。
スタートして10分でうっちぃさんが濡れた岩で滑って大転倒。(幸い怪我なし)
沢が終わって急登のステージではルートを外してしまって復帰中、
うっちぃさんのザックを預かったがミスをしてしまって30m転落させてしまった。
幸いにも沢へのドボンは免れたが、それを回収に行ったり、
倒木や地盤が緩んで歩きにくいというハンデも重なって登山道への合流に一時間、
そこから約5分後の8時14分に「奥駆道出合」に着いたときにはすでに疲れてしまった。
パンを食べて10分ほど軽く立ち休憩。(朝食を食べたのは午前3時だったから)
弥山を本当の意味でのスタート地点としている中で、まだまだ始まったばかりなのだ。
奥駆道出合からは登りはあるものの稜線伝いでサクサク快適に歩ける。
登山道というものがこんなに歩きやすいものだなんてありがたすぎる。
途中、小雨が降ってきたりで、レインウェアの上衣のみを脱いだり着たり。
立ち休憩しているとすぐに寒くなったり。
晴れて照るより、時折小雨で涼しくて良かったかもなぁとこの時は思った。
雨に滴垂る新緑の青が眩しく美しい。
ガスっていなければ見える弥山の山稜も何も見えないので気が楽。
見えてしまうとあそこまで登らないと行けないのかなんて思ってしまうから。
初めて登ったときの印象よりも弥山への登りはしんどいとは思わなかった。
スタートしてからおよそ2時間40分後の9時50分に弥山小屋に到着。
ここでは手洗いと、少しだけ腰をおちつけて食べ過ぎず少なすぎず軽く食事。
軽く休憩しただけと思って時計を見たら、到着してから30分も経過していた。
こんな天気でも登山者はチラホラ、ざっとここまでで10人くらいと遭遇。
10時18分に弥山を再スタートし、八経ヶ岳到着は10時40分。
ガスっていて展望ナシ。そのまま休憩なしですぐに続行し、
明星ヶ岳はピークには立ち寄らず、下り基調ながらも楽ではない
禅師ノ森までのアプローチ。
八経ヶ岳から先は今日は誰も歩いていないようでぬかるみに足跡なし。
「五鈷峰」直前に到着すると山抜けしていてワンミスのできない危険箇所。
時折ガスが吹っ切れると5月4日に歩いたカラハッソウ谷が見下ろせて絶景。
晴れて展望が良かったら、あちこちで感動の嵐だったにちがいない。
危険箇所は少し高く巻いてトラロープを使って下りるという慎重さを要した。
五鈷峰を過ぎてしばらく行くとおびただしい数のバイケイソウ。
毒ガス吐いてるんじゃないかと思うほど。
あと少しで「舟ノタワ」という標高1,614mの五仙宿跡付近で
ついに釈迦ヶ岳チームのyossiさん、キーコさんと感激の対面!
20分ほど立ち話をしてお別れ。あとはゴールを目指して先を急ぐ。
急ぐといってもゆっくり無理せず焦らず、のんびりより少し早いくらい。
舟ノタワ~楊枝ノ宿までは
5月4日の七面山のときに歩いているが、
一ヵ月半ですっかり様子が変わって新緑が生い茂って一変していた。
楊枝ノ宿小屋到着は13時15分。
ここからは後半戦。
いきなり未踏の仏生ヶ岳への200mの登りが待ち構えているので
大休憩して昼食をしっかり食べて休憩。
その時、外では激しい風雨となって足止めを食らう。
偶然にも小屋の中にて助かった。
靴下が少し湿っている。汗なのか浸水なのか不明。
いつまでも雨宿りをしてられないのでレインウェアを上下着て再出発。
せっかくの機会なので、仏生ヶ岳と孔雀岳のピークは踏んでおきたかった。
(ピークは登山道から外れているのでわざわざ行かないといけない)
ここから先はいろいろあってコースタイムは参考にならないので省略します。
仏生ヶ岳へは登山道からではなく、尾根伝いから登って反対へ抜けるつもりが
途中、進行困難な荒れ具合となり仕方なく登山道に戻るという時間ロス。
再度、登山道からの取り付きから約50mほど登ってピークへ。
登山道に戻って雨の降りしきる中を孔雀岳に向かって歩く。
倒木を跨いだり潜ったりとスムーズには行かない。
仏生ヶ岳から一時間かかって孔雀岳のピークへ。
孔雀岳のピークから踏み跡を見失って軽い道迷いで登山道復帰に時間がかかる。
GPSに頼ることしばしば。
「孔雀ノ覗」もガスっていて何も見えなかった。おそらく高い絶壁なのだろう。
孔雀岳から橡の鼻へはこれといって記憶に無い。
すでに靴の中は浸水してしまってジュウジュウいってる。
橡の鼻はあの巨大な岩の事だろう、大きすぎてオーバーハングしていて威圧感がある。
そして今回もっとも恐ろしいと思ったのは釈迦ヶ岳への登りの直前。
岩の上を通過しなければならないが、風雨激しく吹き飛ばされそうな中、
ツルツル滑る岩の上を、20cmほどの長さに立ててある棒を掴んで、
足をひっかけて越えるというステージ。
滑って転落すると絶対に助からない。
過去に歩いたことがあるといううっちぃさんは心配をよそにサクサク通り過ぎる。
あそこは怖かったなぁ。。
釈迦ヶ岳への登りは思ったほど高くなく、それでも疲れきったカラダに堪えながらも
ようやく登り切った。
うっちぃさんの歩きのポテンシャルは高く、こちらから何も言わないでいると
ふり返ることもなくノンストップでどんどん行ってしまう。
「ちょっと息を整えませんか~(しんどいから休憩させてー)」とお願いすることたびたび。
孔雀岳のピークから2時間30分後のことであった。
釈迦ヶ岳まで来ると、あとは下り基調で登山口まで1時間40分ひたすら歩いてゴール。
風雨という最悪な条件条件の中でありながらも、
計画していた日に全員が無事に、最後まで歩き通せたという感動は大きなものとなりました。
※ザックカバーもしていたのに、ザックの中身のすべてが濡れてしまっていた。
※弥山小屋でバッジを買うのをまた忘れてしまった。
※水は3リットル持参で電子機器類やトップの集合写真を撮るための三脚持参でザックは15kg越え。

行者還トンネル西口~太尾登山口までの垂直プロファイル ※yossiさん提供

行者還トンネル西口にて


まずは沢ルートで奥駈道出合へ向かう


奥駈道出合にて


弁天の森へと入ってゆく



聖宝ノ宿跡にて




「弥山」に到着。



「八経ヶ岳」にて






五鈷峰の難所にて

ガスが吹っ切れて「カラハッソウ谷」を見下ろせた



釈迦チームと感動の対面!!

バイケイソウの海

楊枝ノ宿小屋にて

仏生ヶ岳(仏生獄)にて ※登山道から外れて高さで50m登る

水場「鳥の水」

孔雀岳にて ※登山道から外れて高さで20mほど登る


孔雀ノ覗にて

橡の鼻?

釈迦ヶ岳にて
