大峰山系 釈迦ヶ岳山頂(標高1799.6m)
<午前:大峰山>
登り:登山口(7:45)~古田の森~千丈平~釈迦ヶ岳(9:35)
下山:同じルート
<午後:金剛山>
登り:石ブテ47番ルート
下山:太尾西尾根ルート今日も単独登山なので、本来なら気合いが入らないところをがんばって4時半起き。
いつも一時間半かかる朝のあれこれもがんばって30分時短して5時半に出発。
冬なら真っ暗闇なのに、すっかり明るいので早く行動をおこさなくてはと焦る。
途中のコンビニで昼食を仕入れる。あとはノンストップで登山口をめざす。
前から気になっていた大峰山系の数ある岳の中でも目立つランドマークである
釈迦如来像がある釈迦ヶ岳に行くと月曜日から決めていたのだ。
昨日まで「釈迦岳」と思い込んでいたが「釈迦ヶ岳」が正解だった。
釈迦ヶ岳は大峰山系でも最南端(正確には南奥駆道としてまだ続くが)
に位置し、大峯奥駆道の最終の山として有名だそうだ。
誰もあまり行ったことがないし、特別に何の特徴もないメジャーじゃない山だと
興味も感心も薄いが、釈迦ヶ岳の釈迦如来像の写真はいろんなブログ等で
たびたび目にすることがあったので馴染み深い。
今回、釈迦ヶ岳をめざすのに最短距離である十津川側から登ることにしていた。
これと同じ行程は4月にブログ「山と楽人の旅」の山のまこまささんが登られたという
実績があったのでそれを参考にできた。
そうじゃなければ下北山村側の前鬼から一日仕事で来ることになったであろう。
車は金剛山を山越えする最短ルートを取るが道がくねくねでさっそく疲れる。
さらに国道168号線を南にとり十津川村に向かう。
ずっと登りでカーブも多く運転の疲れが増してくる。
ツーリングでバイクで何度も走ったこの道は、十津川程度の距離だと
まだ志半ばの距離なのに、車だと何倍も疲れてしまう。
谷瀬の吊り橋まであと少しというトンネルを出てすぐを右折して
旭橋を渡って、旭口を旭川沿いに延々走る。
旭ダムのあるところまではほぼ二車線の幅の道が続き、快適に走れるがそこから先が少々酷い。
1.5車線くらいの幅なのは良いが右へ左へのカーブでうんざりする。
それどころかガレた絶壁沿いを走るので、道路には石が落ちてるし、
ネットやコンクリートで固められてない壁は、いつパラパラと崩れてもおかしくない。
そんな落石が気になるステージをようやく抜けて登山口に近づくと
道がものすごく広く明るくなり、まるで大台ヶ原に来たみたいな印象を感じる。
こんなところにわざわざ来る登山客はいるのか?今日はもしかして自分ひとりでは?などと思う。
二時間もかかってようやく到着。
着いてみると、駐車場は広く明るく、登山準備をしている人もちらほらで期待が高まる。
すでに車は20台以上は止まっていた。
駐車場というよりフリー駐車スペースという感じ。
立派で綺麗なトイレがあって無料で利用できた。
手洗いは太陽光発電で貯めた雨水を汲み上げているみたいだが今日は出なかった。
7時45分、登山開始。
最初は展望もない狭い道をどんどん登っていく。
それもつかの間、30分も歩いてないうちに尾根にでた。
すでにそこは山のてっぺんのような感じで展望がある。
駐車場がずいぶん高所にあったのでわからなくもないが、
たいして登らないうちに登り切った感じでどこか煮え切らない。
尾根に出てからは展望はもちろん、雰囲気が抜群に良く、まるで天国に来たみたいだ。
(天国なんて知らないけれど)
小さな登りが続くとそれなりに登りごたえがあって汗もかく。
つねにそよ風が吹いており、風が冷たいので心地良い。
あまりにも爽快なので、すっかりご機嫌になって歩き続ける。
登ってるかと思うと下ったりであまり高度を上げてる感じはない。
周囲はバイケイソウだらけ。
ようやく釈迦ヶ岳っぽい出っ張りが見えてきた。
もうどこにでもテントを張って泊まりたいくらいに良い。
Windowsの標準の壁紙みたいな風景だ。
古田ノ森ってどこのことかわからないまま千丈平に着く。
地図上では水場があるとなっているが、まさか尾根のてっぺんにあるわけ・・
なんて思っていると、本当に水場があってちゃんと水が出ていた。
近くにテントを張れば水に困らないではないか。
ここまでは楽すぎてハイキングどころかピクニックみたいに楽チンだったが、
千丈平からはどんどん登りがきつくなってきて、ようやく登山らしくなった。
なかなか登りごたえがあるなぁと思った頃、釈迦如来像が見えてきた。
9時35分、釈迦ヶ岳山頂に到着。
いつも写真では見慣れていた釈迦如来像を目の当たりにすると少々感激。
ちなみにこの釈迦如来像は人が担ぎ上げたらしい。
大正13年、岡田雅行(1886-1970)という通称「鬼マサ」が、全重量数百キロのものを
分割してとは言え、8キロの道のりを何度も往復して一人で運んだという。(当時38歳)
そのことが台座の向かって右の真横あたりに「岡田雅行独力ニテ運搬セシ者也」と刻まれている。
涼しい風が吹き抜けて最高の気分であるが、釈迦ヶ岳山頂はそんなに広くもないので
下山の途中で昼食を摂ることにした。
しばらく釈迦ヶ岳山頂にいると、次々と人が登ってきた。
男女合わせて5、6人のグループの話を聞くともなく聞いていたら、
どうやら下北山村側の前鬼(ぜんき)から登って来たとかで、
さらに大峰奥駆道をトレースして、八経ヶ岳を越えて弥山(みせん)小屋で泊まるという。
いいなぁ、山小屋で泊まりながら奥駆道をつないでいくなんてうらやましい。
釈迦ヶ岳までだとまだまだ余力があったので、奥駆道を孔雀岳、仏生ヶ岳、七面山と
行ってみたいし、今日一日ずっと大峰に居たいくらい気持ちが良かった。
駐車しているところに帰らないといけないし、それだと距離が短いので
金剛山にも行けそうだから仕方なく折り返すことにした。
千丈平まで戻ってきて昼食。
ここまでは持ってきた水(3リットル)のうちの500mlすらも消費しなかったが、
お昼にスープパスタ×2や熱いお茶、そしてジェットボイルでお湯を沸かしているときに
蹴飛ばして倒し、水をこぼしたりして2リットルを消費。
コンビニのおにぎりが塩辛すぎるので、今日は「助六寿司」を買う。
酢の入ったものが疲れに良いようなので、スープパスタも酸味のあるトマト。
katsuyukiさんがいつもお昼に食べているローソンの「助六寿司」は、
見ているとたいして美味しそうには見えないし、山で巻き寿司にきつね寿司はどうだろ
と思っていたが、今回、適度に酢の酸味があって、山で食べるのに寿司はイケル!と思った。
下山完了12時ちょうど。
帰り支度をして金剛山へ向かう。
奈良の五條まではひたすら下り坂なので車の運転も楽だ。
登りでエンジン音がしんどそうだと人間様まで疲れるようだ。
奈良の五條からは金剛山を再び山越えするか、山麓線を御所のほうに巻くか迷った。
大峰山系まで遠征してきて金剛山にも登るとなると、
最短最楽の寺谷ルートしかありえないだろうと思っていたが、
まだまだ余力ありそうなので、山麓線を御所へまわって水越峠へ。
青崩の公共トイレのそばの駐車が今日も空いていたのでそこを起点とする。
今日は石ブテ47番ルートへ。
一時間少々で金剛山頂に着けるかなと安易に考えてたら甘かった。
実際は1時間45分もかかってしまった。
急登が終わってからもじりじりと登りが続き、大峰の後だけに少々こたえた。
冬で葉が枯れ落ちた石ブテ47番ルートしか知らなかったが、新緑ではがらっと印象がちがった。
いつ石ブテ尾根に合流したのか気づかないところだった。
石ブテ47番ルートの急登ぶりは、中尾の背ルートの比じゃない厳しさだと思った。
つま先歩きになるだけでなく、靴が脱げそうになるほどだった。
山頂15時45分の気温は20℃。
20分ほど休憩して、帰りがけに転法輪寺で捺印に。
閉まっているっぽかったのであきらめて帰ろうとしたら、
奥からボーさんが出てきてくれた。
虫が入るから閉めているとのこと。
ちなみに転法輪寺の捺印は16時まで。
少し立ち話をしてから下山の太尾西尾根ルートへ。
先週、青崩道ルートの下山が長いと思ったが、太尾西尾根ルートの下山も
同じ所要時間で1時間ちょうどだった。
その他の画像は以下より。