『今日の金剛山』 ハイビジョン(HD)撮影 (3分20秒)登り:クソマル谷ルート
下山:久留野峠ルートとうとう悲願の未踏「クソマル谷ルート」を登る時がやってきた。
クソマル谷ルートは、金剛山の数あるルートの中でも、
イチ、ニを争う難ルートだと聞いていた。
しかしながら、駐車場の問題(基本的に可能な場合でも路駐はしたくない)や
金剛山へ向かう上ではいちばん距離が遠い対角線上で反対側に位置することなど
課題が多かった。
また、このルートは、同じく未踏のTakeshiさんと一緒に登って、
初めて同士で一緒に驚こうと言っていた。
たまたま今回はTakeshiさんと都合が付いて、
朝は何時スタートでも良いとのことだったので、
とうとう実行することにした。
朝7時、白高大明神を起点に登山開始。
あたりはまだ薄暗い。
川の流れる音だけが聞こえるだけで、人の気配も無く寂しげな感じ。
登り出しにある廃屋が少しだけ不安をあおる。
まもなく「久留野峠道」への分岐にさしかかる。
登りはクソマル谷ルートであるが、下山は久留野峠道の予定だったので、
それぞれ違うルートなのに、起点とゴールが同じなのはありがたい。
久留野峠道の分岐を見送ってしばらく進むと、左手に火山で隆起したような大きな岩肌があった。
どんな難ルートが待ちかまえているのかと、ワクワク冒険気分が高まってきた。
さほど障害になるようなところも無く、平和で目立った特徴も無いまま一時間が経過。
こんなに平和で良いのか?と思いつつも登り続けると、
少し狭くなって沢の中を進むようなステージになってきた。
それでも大きな障害もなく、濡れそうになることもなく、どんどん沢を進む。
そういえば沢なのに小滝らしいものもまったく無いなぁと気づく。
他のルートに例えるならどこになるだろう?
小さなアップダウンも無く、ほぼフラット。
そうこう思いながら一時間半ほど経過した頃だろうか、いきなりクソマルの滝が立ちはだかった。
ついに出たぁと思ったのもつかの間、わりと傾斜があるし、
奈良の爺々さまの設置してくださったトラロープもガッチリ張られているし、
登るのに苦労はなさそうだった。実際、何の問題もなく余裕で登れた。
なぁ~んだ、この程度ならイワゴノ谷とは比べようもなく平和だなぁという調子でしばらく進むと、
ものすごくそそり立った岩壁が、こちらに倒れ込まんばかりに迫っている。
こんなものすごい岩壁は金剛山では初めてお目にかかる。
ほんの小さな落石が発生してもアウトというような絶壁の真横に第二の滝があった。
角度もきつく、しばし唖然。
さすがにこの滝登りはカメラをしまって真剣勝負で望む。
登りきってから下をのぞくとかなり怖かった。
一つ目の滝まではナメてかかっていたけれど、さすがにこの滝はきついなぁと思う。
足が掛けにくく、トラロープに命をあずけて登る感じだ。
(例えるなら、丸滝谷ルートの名物の大滝のようなものか?)
さらに登山をつづける。
ほどなく、またまた大きな壁が立ちはだかる。
これには手前に巻き道があったが、ここにもトラロープがあったのでそこを登ることにした。
右へ登りきって、左へ折り返してからの部分が恐怖だ。
この感じの怖さは、ロープすら無いあのイワゴノ谷ルートを思い出した。
計3つの滝をクリアしてからは、シャブシャブ状の歩きにくい沢の激登りに転じる。
どこまで登っても頂点が見えず、いつまでも続く登りはなかなか登りごたえがあった。
ようやく頂点のダイトレか?と思われる明るい部分が見えてきても、
あまりにも急なので、木から木へと綱渡りのように飛び移りながら登るも、
どちらへ取り付いて良いのやらわからず、とにかく登って登って登り倒してようやくダイトレに出た。
撮影のために立ち止まっていた時間を含め、登山開始からダイトレまで2時間45分くらいだった。
そこからひたすらダイトレにて頂上をめざす。
ちはや園地を過ぎたとたん、アイスバーンになっていて登りにくくなる。
なんとか端っこを歩いてがんばっていたが、展望台も過ぎてしばらくいくと、
さらにカチコチになっていて、あやうく転倒しそうになったので仕方なくアイゼンを着用。
陽の当たるところに出るとすぐにアイゼンは不要になり、そのまま一の鳥居からの登りも、
仁王杉を過ぎてからも、灯籠のあるコンクリートの下りもアイゼンいらずで山頂に到着した。
山頂10時20分の気温はマイナス4℃。
雪もなく、ただ寒いだけの山頂は、さすがに人が少なく感じた。
まぁまだ昼時ではなかったけれど。
捺印後、すこしだけ国見城趾広場に立ち寄った後、ちはや園地に折り返す。
腹はかなり減っていたが、今日はちはや園地のログハウスで食事したかったのと、
帰りのルートがまたそっち方向なのでがんばって戻る。
ログハウスに11時ちょうどに着いて入ってみると、ひと組くらいが食事していただけで、
広くて快適そうだった。
カップヌードルを買う。
値段は山頂と同じであるが、しょうゆ味だけなのが残念だ。
また、ビニルは剥がしてくれ、蓋をめくってテープをつけてくれるところまでやってくれるが、
お湯を注ぐのだけはセルフだった。
ログハウスで感じた事。
机の高さが高い。
座るとカップ麺が顔のすぐそばだ。笑
子供だと頭の上?
禁煙で煙たくないのは山頂売店と違って良い。
たまたまストーブが点いていなかったのでアウターを着ても少し寒かった。
昼食で30分ほど休憩。席はいつの間にか満席に。
ログハウスを出ると寒い寒い。
カラダを休めていたので、寒さがこたえる。
ちはや園地から久留野峠まで移動。
久留野峠からはいよいよ未踏の「久留野峠道」だ。
反対の大阪側(村営駐車場に出る)へは数え切れないほど通ったが、
奈良側を通るのは初めてだ。
久留野峠道、なんという綺麗な道だ。
ものすごく手入れが行き届いている。
金剛山の数あるルートの中では圧倒的に素晴らしい。
他のルートとはまったく例えようがない。
下界の見晴らしの良い部分があったり、陽が差し込んで、さながら日本庭園か!?
と思わせるような?なんとも例えようのない美しさ。
階段や人の手で作られたようなものはなく、ただひたすら自然になだらかな感じ。
本当に下りていっているのか?思いっきり遠回りしてるのでは?
というような錯覚すら覚える。
いつまでもこんな調子が続かないだろうなぁ、良すぎるしぃと思っていたら、
とうとう下山完了まで同じような調子だった。
まるで夢を見ていたような気分だ。
登りのクソマル谷ルートとのギャップがあまりにも大きすぎる。
久留野峠から30分ほどで下山できた。
あえて動画や画像には載せていません。(実際は撮る事すら忘れて酔っていた!?)
クソマル谷ルートはなかなかの難ルートであったが、
イワゴノ谷ルートの厳しさには及ばなかったが、
たっぷり一週間分の充電ができて大満足だった。
その他の画像は以下より。