丸滝谷ルートは、公式ルートではおおっぴらには案内されていない。
ウワサでは金剛山随一の難ルートで、命の危険を伴うとさえ言われているからかもしれない。
実際はというと、妙見谷ルートのほうが一歩間違うと危険なシーンは多い。
もっと言うと、カトラやツツジオ、タカハタだって難所だらけ。
それに比べると、丸滝谷ルートの難所と思えるのは一ヶ所だけ。
それ以外はというと、道幅というか沢幅というか言葉足らずでボキャブラリ不足で
うまく表現ができないが、ようするにとても広くて歩きやすい。(妙見谷ルートの比ではない)
沢の中を行くのが基本であるが、水の中を歩くわけでもなく、
通常の登山靴であれば十分クリアできる。
唯一の難所も、トラロープがあるおかげで比較的安全にクリアできる。
他のルートの難所でロープのお世話になるとしても、補助的な、いざというときに
つかめればいいという程度なのに対して、この難所の絶壁はトラロープ無くしては厳しい。
というのも、足をかける部分が小さかったり、不明確だったりするためだ。
トラロープが無かったとしても、運良ければ問題なく登れなくもないが、
一度でもかけた足を滑らすというワンミスをするだけで、岩場を滑落することになり、
直結して命に関わるのは間違いないことだけは確か。
慣れていても、うっかりバランスを崩すということは誰しも必ずある。
安全マージンを十分確保するという意味で、トラロープをしっかり利用することが大事だ。
トラロープを設置してくださった奈良の爺々様の苦労に感謝しつつ登りたい。
ところでルート上、迷うような分岐があるかというと、ほとんど無い。
しいて言うなれば、中尾の背ルートとの合流ポイントで少々悩むが、
山頂方向である右へ行けば良い。
その方向にも2つの分岐があるが、どちらを選んでもすぐに合流するので結果は同じである。
丸滝谷ルートは明るく自然感たっぷりで、金剛山の数あるルートの中でも
とても楽しませてくれる魅力ある随一のルートであると言える。
これを読まれてわれもわれもと登山者が殺到して自然を汚すとか、
ゴミを捨てる、誤って落とすということが無いことを切に願います。
